中学・高校数学を厳密に議論する(同値類による幾何ベクトルの定義 編)(途中です)

 高校数学で扱う幾何ベクトルでは、有向線分を定義することでベクトルを定義します。平面(空間でも同様)上にある2点を結ぶ線分において、向きをつけたものを有向線分といいます。2点A, Bをとり、Aを始点, Bを終点と決めれば、有向線分ABを考えることができます。有向線分において始点の違いを無視して、向きと大きさ(長さ)が等しいものを、まとめてベクトルABとしていたわけでした。この有向線分からベクトルを定義する方法は、まさにベクトルは有向線分の同値類として定義する方法であることに気づきました。

 有向線分を定義するため、Uの元x, yをとります。ここで、Uは4次元ユークリッド空間から集合{(a, b, a, b)|a, bは実数}を引いた差集合です。考え方としては、有向線分を、2次元ユークリッド空間同士の直積の元(順序対)に対応させているわけです。ところが、この2次元ユークリッド空間同士の直積は少し気持ちが悪いので、どうせだったら4次元ユークリッド空間を考えてしまえばよい、ということです。x=(a₁,b₁,c₁,d₁), y=(a₂,b₂,c₂,d₂)に対して、関係~をx~y⇔

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