代数学

第1章 代数的整数論の初歩

代数学、特に群、環、体などは、抽象的な議論をすることが多い。そこで、まずは抽象的な議論をする前に、なじみのある整数について有名な性質をみていく。高校数学では当たり前とされていた事実(商と余りの一意性など)を証明する。その他、平方剰余の相互法則や、具体的な不定方程式について議論する。

§1 ユークリッドの互除法

Thm6では、割り算が定義できることを保証している。ここでは、Thm6の主張におけるq,rをそれぞれaをbで割ったときの商、余りと定義している。

Thm7(⇒)の下から2行目の議論は、Thm6の一意性の証明の(*)が導かれたのとまったく同様のものである。