(中高生向け)微分を学ぶ初めの0歩

 微分をまだ習っていない中学生や高校1年生も、すでに習った高校2,3年生も、是非読んでほしい内容です。

 微分とはそもそもどのような考えから生まれたのか、微分のイメージにあたる説明を記事にしたいと思います。まずは、皆さんの頭の中で、コンパスをイメージしてください(もし実際にコンパスと紙があればより分かりやすいと思います)。そのコンパスの針と鉛筆の間を大きく開けて、円を少しだけ描いてみるんです。つまり、半径の長い円の一部分を描くということです。するとどうでしょう。その円の一部は、ほとんど直線に見えないでしょうか。もちろん、円の一部を描いているわけですから、実際には直線でなく曲線なはずなのですが、大きい円の一部分だけを見ると、なんだか直線に近いように見えます。実は、これが微分法の発想です。つまり微分法は、「曲がったものも、狭い範囲では、真っすぐに見える」という考えがもとになっているというわけです。もっと、極端なことを言えば、本当は丸いはずの地球にいても、その丸さを実感しながら生活しませんよね?朝起きて、学校に行くために外に出て周りを見回し、「あぁ~!今日も地球は丸いなあ~!」なんて、思いませんよね・・・?人間の身長に比べてずっとずっと大きい地球にいても、人間は地球のごく一部分しか見ることが出来ないから、本来丸いはずの地球も丸く感じません(まあ、そもそも地球の果てが遠すぎて見えないと思いますが)。同じ理論で、アリから見たら、サッカーボールは丸くないかもしれませんね。

 これらの例からも、「曲がったものも、狭い範囲では、真っすぐに見える」ことは分かったと思います。高校数学までの関数は1変数関数(つまり変数が1つだけの関数)しか習わないので、その関数のグラフを平面上に描くことができますよね。グラフが立体になる関数は習いません。つまり、「曲がったものも、狭い範囲では、真っすぐに見える」ことを、高校数学までに習う関数のグラフについて言うと、「曲線も、狭い範囲では、直線に見える」ということになります。「曲線の一部分を直線に近似する」ということは、まさに曲線のその一部分における接線(接する直線)を考えることであり、だからこそある関数のグラフのある点における接線の方程式を求めるときには、微分をするわけです。

 (ここからは既に微分を習った人向け)微分の定義を理解していますか?例えば、f(x)=x²を微分するとf'(x)=2xとなることは分かると思いますが、どういう経緯でf'(x)=2xになるか説明できるでしょうか。(x^n)'=nx^(n-1)は、言うなれば微分の「公式」であって、定義ではありません。微分の定義は、教科書に必ず書いてあるはずです。微分の定義が平均変化率(変化の割合)の極限であることを理解した上で、微分の計算練習を積んでほしいと思います。

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